沖縄の神話・民話の紹介ページ

これから少しづつ、沖縄の伝承話(神話や民話)を紹介させて戴きます。地域は飛び飛びですが。実は、私は、昭和48年から沖縄の民話神話調査に通いはじめて先々週で126回目。読谷からは、日本で最高の民話集が刊行されております。ぜ皆様にご一読お願します。伊江島から刊行されている民話集は、質量ともに重厚な感じです。とても安い価格です。徐々にお知らせします。

 

1「沖縄本島の「カジマヤー」の由来」

長い話なのでごく短く。天の神様が降りてきて、いい粘土があったから、人形を作り息を吹き込んだら、人間ができた。翌日行くと、壊されていた。また、同じことをしたが、また壊された。誰が壊すのか見ていると、土の神様だった。そこで土の神様と100年契約をして人間、男3人、女3人を作った。ところが土の神が100年たったから返してくれと言ってきた。まだ97年しかたっていない。数え方がおかしいということで、議論になったが、閏月があると土の神は言い張った。そこでもう50年貸してくれと天の神はお願いして、契約が成立した。ところが97歳になった時に、今度生まれ変わり赤ちゃんで生まれたばかりです、ということで、赤い着物を着せて、カジマヤーを回して、誕生の祝いをする。97歳に50歳だから147歳まで人間が生きれるが、この人生の期間を許しているというわけ。風車を持たせてカジマヤーの祝いをする由来。土から人間が生まれた話は中東にもあったと思う。沖縄文化が世界の入口、ないしは世界の軸にあるというのが私の考え。中東の神話の一部が南西諸島に定着しているほんの一例。

 

2「宮古の起源神話、など起源神話の一部」

宮古のご先祖様は、コイツヌとコイタマです。八重山の石垣は、アマン神が降ろした兄妹神。波照間は、石カンパーと石カンプヤ-という二人。地域によっていろいろ違った神話が沖縄に伝わっているのです。いろいろ地域によって違います。近いうちに詳しくお知らせします。

 

3「多良間の安里家の起源神話」

宮古は、太陽の子孫と言われている人の家の神話があります。幾つかありますが、多良間の前の村長さんの安里家はテダの子孫です。太陽に見初められた女性が子供を誕生し、船頭家(シンドゥーヤー)と呼ばれて立派な船頭が出て、皆さんから尊ばれました。安里茂男という4期務めた村長さんがそのおうちです。


4「宮古の来間島の島建て神話」

来間島の草分けの家が3軒あります。男の兄弟3人の家です。その家の子どもの子孫の家で、太陽の子孫です。長大な神話ですから、短くは話せません。島では比較的知られた神話です。旧暦9月の甲午の日とその翌日に由来にまつわる「ヤーマス御願」が行われております。私の論文集には繰り返し紹介しております。来間も魅力的な島で、沢山の観光客がこられます。

 

「竹富島の星砂の由来話」

沖縄は本土と同じくロマンチックな島です。大昔、北の星と南の星が夫婦だった。南の方の星が妊娠して、臨月になった。どこで子供を産んだらいいかと太陽の神に相談したら、竹富島が美しい島だから、その海に生みなさいと言われた。南の神は、すぐに降りて行って7つの小さな星を海で生んだ。かわいい子を産んだのに南の星は海を汚したまま、子育てをせずに天に昇った。竜宮の神は怒って近くにいた魚や蛸が集まり星の子を皆食べてしまった。その糞が流れて、星のこの骨が竹富島の南の浜に打ち上げられた。それが星砂。

 

6 自分が犠牲になってサメを殺した英雄

沖縄県には自称「ゲルマンジン」が住んでいます。それは座間味村の「慶留間島(げるまじま)」に住んでいる人のことです。この島には、サメに食われて困っている島の人のために、自分が犠牲になってサメの体の中に入ってサメを殺した英雄の話が伝わっています。下地という人ですから、宮古から来た人だと思われます。あまり知られていないので、ご紹介します。魅力的な良い島です。人口は確か45名ぐらいですが。